Saint Dance

静けさの中に耳を澄ませ、生命そのままのリズム…星々のステップに身を委ねませんか。 リンクフリーです。

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或役立たずの道程



誰ひとり記憶も記録もしていない
この旅を

誰かがもしも見つけたら
さぞ物笑いの種だろう


一握りの砂さえも
運ぼうとして運びきれず
力尽きてもまた歩き
それはまったくの徒労じゃないかと

しかもその苦渋に塗れた道のり
しかしその奇跡に溢れた道のり

誰も知る由なく

周囲に人が居たとて、
決して彼らの目には入らず
力の限り叫べども、
一人として微かな吐息すら届いていない

(むしろわざと隠されているのではないかと思えるほどだ!)

ああ
誰に判ってほしいわけじゃない

だから
信じるこの思いを
抱えて
抱えて
ただ歩き続けるだけなのだけど


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砂を握る



この砂を遠くへ運びたくて

意味があるかはわからないけれど
わたしの思いには嘘がないから
そうせずに居られない


どこまでも遠くへ運びたくて
一粒でも多く運びたくて
掌に握りしめる


あてはないけど
目指すべき場所はある
そんな旅の途中で

道に迷い
躓き
水を求めて彷徨い

その度にわたしの指からは
命ほど大切な砂がサラサラと零れる

泣いている暇はない
残りのこの砂を運ばなければ


足を前へ前へと進め
しかし迂闊なことに最後の数粒さえ掌から見失う

また砂を握り直し
旅路を急ぐ




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